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組み立て

自転車は購入するお店でクオリティが変わります

みなさんは、自転車屋に並んでいる自転車が、そのお店で組み立てられているのをご存知でしょうか?
よく「完成された自転車が店に送られて来てるんだと思ってたよ!」と、言われる事が多いのですが、自転車は、家電や自動車などと違い工場では7割ほどまでしか組み立てされておらず、残りは、自転車店に届いてから組み立てを行います。

購入店がどんな組み立て方をしているかで、皆さんのお手元に渡った時の状態に大きな差が生じるのです。

当店では、工場の方で組まれている約7割も許容範囲に収まっているだけと判断し、重要な部分は組み立てられていても分解して、再調整をしてから組み立てております。こうする事で通常の残り3割だけを組む時よりも、5~6倍の手間が掛かってしまいますが、お乗り頂いたその日から走行性能や耐久性に大きな差が出て参りますので、自転車の性能をフルに発揮させるために、当店では必要な手間と考え行っております。

最近は油圧式のディスクブレーキといった、少し前の自転車には考えられなかった技術が多くのモデルに採用されています。またメーカー毎の独自規格も多く、それに特化した専用工具も必要です。

現在、当店で行っております組み立てを簡単にではございますが、ご説明させていただきます。

STEP1:箱から出す

スポーツバイクは、この様にダンボール箱に梱包されて送られてきます。
まず、輸送中のダメージが無いか外からダンボール箱の状態をチェックして問題が無ければ、箱を開けて自転車の状態やパーツの欠品が無いかをチェックしながら、梱包を剥がしていきます。梱包を剥がしたら、シートポスト(サドル)を取り付けて、メンテナンス台に設置致します。

STEP2:ヘッドパーツにグリスを追加

トレックの完成車には、初めから必要最低限のグリスは塗ってあります(経費削減でまるっきり塗っていないメーカーも存在します)ので、新品の時の動作には問題ありませんが、当店では雨に降られてしまった場合の防水性を高める為に更にグリスを追加して塗っております。

STEP3:ステムとハンドルを組み付ける

固着と音鳴りを防ぐ為にトップキャップとステムのボルトにグリスを塗って、ステムとハンドルを組み付けます。
この部分は、汗や雨で固着しやすく、固着が原因でボルトの動きが悪くなっておりますと適正トルクでボルトを締める事が出来なくなってしまいます。

STEP4:ホイールの振れ取り

リアホイールは、初めから自転車に取り付けられておりますが、組み立ての最重要ポイント(1番手間も掛かります)の1つですので、外して再調整をします。
また、左右方向だけ振れ取り調整を行っているショップが多い様ですが、リムは縦方向にも振れてますので、フロント・リア共にタイヤとチューブを外して、ホイールやリムテープなどに異常が無い事を確認してから、縦と横の振れ取りとセンター出し(リムをハブの真ん中にする調整)を行い、タイヤを取り付けスプロケットのロックリングを増し締めしてからホイールを自転車に取り付けます。

STEP5:ハンドルとサドルの角度調整

ハンドルとステムの角度や向きを合わせて調整し、サドルは、角度と前後位置を調整して締め付けます。

STEP6:クランク固定ボルトの増し締め

クランクのボルトがキチンと締まっているかを確認して、必要に応じて増し締めをします。

STEP7:ディレイラーの調整

まず、ディレイラー(ギヤチェンジのパーツ)をきちんと取り付けられるようにディレイラーハンガー(リアディレイラーが付いている台座)の調整を行い、リアディレイラーがリアスプロケットに対してキチンと取り付けられるようにします。ディレイラーハンガーを調整後、前後のディレイラーを正しい位置に取り付け、シフトワイヤーの調整をします。

STEP8:ブレーキの調整

ブレーキシュー(ブレーキのパッド)が適性の位置と角度になる様にブレーキシューとブレーキ本体を調整をします。
一緒にブレーキレバーの引きしろが適性になる様にブレーキワイヤーを調整して完成です。

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この記事を書いた人

ブリッジバイクプロダクツ店主の安田です。幼少の頃から色々な自転車に乗り、五輪を目指して競技に打込んだ時期もありました。他にも中学生の頃は自転車で日本一周をした経験もある、根っからの自転車好きです。千葉県松戸市出身